第2章 二夜
鎖羅の夢の通りだった。
旦那は死んだ。
「身体が違うな……核を移したのか?まあいい、アジトに帰るぞ、鎖羅」
鎖羅はハッとしたように辺りを歩き回り始める。積み上げられた傀儡の部品を掻き分けていった。それをただ眺めていると、鋭い涙目でこちらを睨む。
「ぼーっとしてないで一緒に死体を探してください!!」
「何言ってんだよ、旦那の身体は傀儡だったんだぜ。しかも核が使い物にならないってこったあ、もうどうしようも出来ねえよ」
つーか探してどうするんだよ、と鳥に飛び乗る。それでも鎖羅は時折躓きながら地を掻いていた。
「帰るぞ」
「嫌です」
鳥から降りて鎖羅の方へと歩く。
腕を掴んで引っ張ると、鎖羅は目からボロボロと涙を零していた。
「いい加減にしろよコノヤロウ!!もう死んじまったもんはしょうがねぇんだよ!!」
「私なら!!……私なら生き返らせることが出来ます」
腕を振り払って、また瓦礫を掻き分けていく。
里にずっと居座って、襲ってくるはぐれ者を殺していたくせに、何故ここまでサソリさんを救おうとするのか私にもわからなかった。
……でも、きっと私よりこの人が生きていた方が組織にとっても有益だし、なによりデイダラさんにも─────
「……旦那の身体、分かんねぇだろ」
デイダラさんは私の隣にしゃがんで同じように傀儡の山を掻き分けていく。
「…!ありがとうございます!」