第17章 十七朝
「しかし、オレはアジト内の“裏切り者”の存在を長らく感じとっていた。そしてオレの死後、その“裏切り者”はサスケにオレの目を移植させるだろうと考えていたのだ。」
イタチはナルトに向き直る。
「自己犠牲、影から平和を支える名もなき忍…それが本当の忍だと、シスイは教えてくれた。そして片眼を、里を守るために使えと託されたのだ。
シスイと同じ気持ちを持つナルトこそ、やがて脅威と成り果てたサスケを正すことが出来る……サスケを兄弟だと言ってくれたお前にしか、サスケを止められないと、そう思ったのだ。」
ナルトのオーラは輝きを増し、揺らめく。
「イタチ……信頼してくれてありがとう。
もう、心配ばかりしなくていい……アンタはもう里の為に充分すぎるほどやったじゃねーか、後はオレに任せてくれ。」
イタチは決戦前、ナルトに眼を託した時の、ナルトの強い瞳を思い出していた。いつだって陰ることの無い、強い……
「……弟は、お前のような友を持てて幸せ者だ。」