第17章 十七朝
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気づけば、森の中にいた。
びゅうびゅうと風を切る音が嫌に耳に残っている。
辿り着いた先には、記憶に新しい金色。
「うちはイタチ……!」
「…知り合いか?ナルト」
「ああ……!」
イタチは地に降り立ち、含んだ笑いを漏らす。
「久しぶりに会ったことになるんだろうが……死んでたんですぐな気もするな」
生前に見た姿とは違い、ナルトは橙に光り輝くオーラを纏っていた。いや、それだけでは無い。顔つきも、どこか自信に満ち溢れていた。一体どれほどの修行を詰んだのか。並大抵ではないだろう。
「かなり成長したものだ。」
「おう!今じゃあ九尾のチャクラもコントロール出来るようになってよ!」
ツノのように逆立ったチャクラが揺れた。
「……!ナルト、お前に聞きたいことがある。」
「そういや!オレもアンタに聞きたいことがあったんだ!」
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「……そうか。ナルトが九尾の力をコントロールするように……」
ペインは僅かに口を引き結び、目を伏せた。
「会ってみたいものだ。」
「………」
心の中に重くのしかかっていたものが、やっと取り除かれたような気分。
ペインは自分が弟弟子の成長に喜べる事に若干驚きつつも、新たな世代に平和を見いだし、歓喜に打ちひしがれる。
そんな様子をイタチも感じ取ってか、ペインが目を上げるまで静かに待っていた。