第17章 十七朝
「………!」
「目が覚めたか」
ハッ、と顔を上げると、目の前には川が流れていた。
頬に当たる冷気、僅かに浮く体。
大地を踏みしめるこの感覚、懐かしい。
「ここは……?」
「話せば色々長くなる。」
イタチは肩に支えた弥彦……ペインを木陰に入るように幹に下ろした。
ペインはゆっくりと頭を預ける。そして空を見上げた。
「死にそこねた……のか?」
「いや、違う。俺達は一度確実に死んでいる。第三者によって現世に口寄せされたというのが正しいだろう。」
「口寄せ……だと?」
今だ意識はハッキリしておらず、死んだ時の脱力していく感覚が鮮明に思い出される。
頭の中が混雑していて、整理がつかない。しかし、イタチは既にこの状況を見据えているようだ。
「イタチ、全てを話してくれ。」
イタチはペインを振り向く。
じわりと紋様を現した輪廻眼が鈍く光りをたたえていた。