第17章 十七朝
「どうして、ッ、どうして?!」
「私にも見当がつきません!ですが、まるでさっきまで眠っていたかのように、昨日の事のようにあの夜が思い出せるのです……!」
鎖羅の足が砂に取られる。
大きく力が込められたウズメの拳が鎖羅の頬を突いた。
体が捻りながら倒れていく。視界の隅にスメラギが映る。
「鎖羅様ッッ!!」
「ああぁぁッ!!!」
印を組んだスメラギの手に青白いオーラが纏われ、手刀が鎖羅へ突き出されるとそれはまるで刀のように変化して鎖羅の右肩を穿いた。
皮膚が焦げる。傷口すらも焼かれ、出血こそ少ないが想像を絶する痛みが鎖羅を襲っていた。
(そもそも誰が、デイダラさんやお母さん達の死体を?わからない……わからない……!)
フッ、と影が落ちる。
うつ伏せに倒れた鎖羅は頭を僅かに上げて、背後を見上げた。
歯を食いしばり、目を歪ませたウズメが握った忍刀の切っ先を背中越しの心臓の上に突き立てていた。
ウズメはぎゅっと目をつぶる。背中にチクリと痛みが走り、ウズメの叫び声が響いた。
「う、ッ、うぅぅァァアア!!」