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邯鄲の夢【NARUTO】

第17章 十七朝




意識が覚醒する。
緩やかに放物線を描いて移動する身体に違和感を覚え、辺りを見渡した。
木々がスライドしている。
顔に受ける風はどうやら幻覚でもなく、本物のようだ。

「当主様」

「ウズメ…?」

横を向けば、同じく木々を飛び越えているウズメが居た。
ウズメだけではない。先頭には夫、その後ろを継いでスメラギの後ろ姿が見えた。

「どういう、ことかしら?」

「私も先程覚醒したばかりで、上手く状況が把握しきれてないのですが……。ただ、何者かに身体が操られていることだけは分かります。」

「そう、ね……。とても、邪悪なチャクラ……」

ハッ、と目を見開く。
親和性のある、昔から知っているチャクラを感じる。

「鎖羅……!」

「そうです。鎖羅様…、いえ、当主様と同じチャクラを感じます。」

スメラギが振り向いた。その目はとても黒ずんでいる。よく見ればウズメも同じ様に黒ずんでいた。
ウズメはスメラギの顔を見るなり、歯を食いしばって大きく叫んだ。

「スメラギ……!お前、どの面下げて!!」

「すまない、俺はどうやら生前の記憶が戻っていないようだ。思い出せるのは、任務の帰りに敵襲に遭ったことだけで……」

「ウズメ、今は争っていても仕方がありません。とにかくこの身体が動きを止めるまでは、各々分かっていることを交換し合いましょう……」

そう諌められ、ウズメはバツが悪そうに目を伏せた。




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