第17章 十七朝
重力に従って落下し始めた鎖羅は体を捻りながらドラゴンの口元を目視で確認する。
そして、次いで落ちてきた武器をキャッチし、降り注がれた小型爆弾めがけてチャクラを込めた。
「おお…やるねい」
デイダラは爆発によって赤々と燃える空に目を細めた。そして徐ろに印を結ぶ。
「な…ッ!」
ボヒュンと煙とともに、小型爆弾かと思われた造形物が翼を広げた。円錐の体は空気抵抗を受けながら地面へ落下する。
鎖羅は背中を空に反転させ、腕を顔で覆う。爆弾の落下地点には、腰を抜かして逃げ遅れた女の構成員が迫り来る落下物にぽかんと口を開けていた。
(豪水腕!!)
鎖羅は外套を半身剥ぎ、腕へとチャクラを集中させた。
大きな地響きと共に、熱風と煙が舞いあがる。
爆発の余韻と地割れは数百メートル先で戦闘していたデイダラ達にまで及んだ。
「ひ、ひぃ…ッ!」
「ッうぐ……」
鎖羅は体の上を覆った瓦礫を押し上げる。
豪水腕で腕を強化し、着地の際に地盤を隆起させることでその裏に構成員と共に身を隠し、なんとか爆発を免れることが出来た。
「早く……ここを出て合流してください…!」
「ごめんなさいッ!あ、ありがとうございます!!」
構成員は鎖羅が作った瓦礫の隙間から這い出て、瞬身で森の中へかけていった。
それを確認すると、瓦礫を勢いよく放り投げて脱出し、豪水腕を解く。
僅か向こうでは変わらず金髪が華やかに舞っている。
「とにかく、まずは少しでも隙を見つけないと……」
ずり落ちた外套を身体に巻き、鎖羅はデイダラへ一目散に走って行く。