第17章 十七朝
「上空からの爆撃に気をつけて!!」
デイダラは一目散に鎖羅へとかけていく。
鎖羅が素早く繰り出される突きを受け、デイダラが次の攻撃の準備のために身体をくるりと翻す度に手のひらの口からは地上型の小型爆弾が走っていった。
周りの構成員達はその爆撃を喰らいながらも、各々忍術をデイダラ目掛けて放つ。しかし、例え攻撃が当たったとしても、欠けた被攻撃部位に塵が集まって再生してしまう。
「お前を送り出した後、オイラ達は無様に殺されちまったワケだ。」
「ちょ、っ……と、省きすぎじゃ、ないですか?」
「仕方ねーだろ!オイラなりに気を遣ってやってんだからよ!」
デイダラは鎖羅と拳を交わしている間にも、平然とした語り口でいた。ひとつも無駄のない動きに苦戦しながらも、鎖羅は問いかける。
「デイダラさんは、生き返っ…たんですか?」
「いいや。穢土転生っつー、死体を生贄にしてゾンビを生み出す禁術だ。だからオイラはムカつくことに死ねない。幾らお前の攻撃を受けても、」
鎖羅は腰から抜いた銃をデイダラの目元めがけて放った。頬を掠った水弾は遥か向こうの木の幹を貫いた。
しかし、頬に真一文字に走った傷は血がたれることもなく、またもや再生してしまう。
「こんな感じで元通り。うん」
「ッ、は」
鎖羅は短く息をつき、銃を上空へ放り投げた。そして印を結ぶ。
鎖羅の足元から勢いよく吹き出した水柱は、鎖羅を押し上げてドラゴンのすぐ側へと放った。