第2章 二夜
薄暗い洞窟の中、私達は中で次の戦闘に備えて準備を始める。だが二日近くも寝てないとなると、眠気には勝てそうになかった。
「……なんだお前、眠いのか?」
「ハッ!……い、いえ、そん、な………」
「眠いんじゃねえか、ったくよ……」
デイダラさんがこちらへ歩いてきたのを最後に、私は倒れ込んで眠りについた。
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「サクラ!危ない!」
身体中が痛い。地面は砂鉄でざりざりと滑って肌を擦るのすらも痛い。
解毒薬は三分───チヨバア様を回復しようと立ち上がった時、背後から傀儡の関節が軋む音がした。
チヨバア様の白秘技とサソリの赤秘技がぶつかり合う。ダメだ、もうチヨバア様にもチャクラは残されていない、これ以上動いたら……!
「終わりだ、ババァ」
核を移したサソリが刃の着いた腕を振りかぶる。間に合わない………手を伸ばすが───
「………ガハッ」
サソリは二体の傀儡に後ろから核を貫かれていた。チヨバア様は無事なようだ。
「詰めが甘かったな、サソリよ」
「ハッ……そんなはずは無いさ」
大蛇丸との密会の時刻を言い、傀儡になりきれなかった人間、と言い残すとカランと力なく倒れた。やった、倒したんだ、赤砂のサソリを────────