第16章 亭午
「鎖羅さんも、よく見たら身体中傷だらけですね!修行は好きですか?」
「う、う〜ん…カカシ先生はやっぱり厳しいですけど、最近はやってないと落ち着かなくて…」
リーさんはくりくりの目を潤ませて、拳を震わせている。その様子にテンテンさんは何だか呆れた表情だ。
「〜〜ッ素晴らしいですッ!まさか僕と同じ気持ちの人が見つかるなんてッ!」
「わわっ!」
リーさんは握られた手をぶんぶんと振り、だばだばと両目から涙を溢れさせている。
「ちょっとちょっと!なにやってるのよリー!鎖羅さん驚いてるじゃない!」
「はっ!す、すみません!」
「大丈夫です、えへへ」
「もうっ……そういえば、ネジとはまだ会ってないのよね?」
ネジ、と言ったら、さっき颯爽と去っていった長髪の人だろうか。
「ネジも僕に負けないくらい強い忍者なんです。」
「ヒナタと修行するって言ってたし、ちょっと覗いてみる?どうせチャクラでバレるけど、外からね」
テンテンさん達の後ろについて行くと、一際里の中でも豪華な建物が見えてきた。
豪華と言っても、ゴテゴテに装飾がされている訳ではなく、白木で統一されたシンプルな造りになっている。
入口から少し顔を覗かせると、ハリのある少女の気合いが聞こえる。ヒナタさんだ。前に木の葉にいた時、一緒に帰ったことがある。
あの時の控えめな様子からは想像ができないくらい気迫のある足使い。それでいて滑らかな体運び。突きで構成された剛法では無い。柔法だ。