第15章 十五朝
鎖羅は二つ手に取り、慣れた手つきで弄ぶと腰の両側のケースに差し込んだ。
「それならコントロール気にしないで撃てるんだ」
「そうなんですよ。天才芸術家の二人が作ってくれたものなので!」
「ちょっと撃ってみて」
鎖羅はそう言われると、素早く片方の武器を抜いて構えた。的がついた丸太目掛けて武器を向ける。
パン、と破裂音とともに高速のチャクラ弾が打ち出された。カカシが写輪眼で見た限り、手のひらからチャクラを込めると、あの武器の中に搭載されたカラクリが弾に変換して打つ仕組みらしい。
チャクラ弾は的の真ん中を撃ち抜いている。
「威力にも申し分ないね。じゃあ、特訓するのにソレは含めないでいいか。」
カカシはポーチからメモを取り出し、書き留める。
「さて、次は忍術!出来るものからどんどんやってって」
「出来るもの…出来るもの…」
鎖羅は記憶している数少ない忍術の印を思い浮かべながら繰り出す。水龍弾、水陣柱、水乱波、豪水腕、それと、霧化の術。母が発案したこの術は特にコントロールが難しい。
(霧化……再不斬とは少し違うな。身体を霧で隠している訳では無さそうだ。)
先程から繰り出す術の水遁の印は簡易的なものばかりで、威力は全て本家より弱体化されていた。一流の忍が要点の印のみ組んで術の早打ちをするソレではなく、威力と引き換えに印の数を減らしただけの亜種。チャクラコントロールもさほど要さないので鎖羅が使えているのも頷ける。