第2章 二夜
「目が覚めたか」
「っげほっ、げほっ」
「まさかS級犯罪者がバランス崩して溺れるとはな……チャクラコントロールが苦手なのか?」
体を起こし、サソリが差し出したコップを受け取る。薬を煎じた湯のようだ。
「チャクラの回復を早めてくれる。飲め」
苦い味に顔を歪ませながら飲み干した。外套はびしょびしょに濡れて身体にかかっている。後ろを振り向くと三尾がひっくり返って浮いていた。よかった、仕留めは出来たようだ。
「うおっ、なんだその病人みたいな出で立ちはよ、うん」
「デイダラ、チャクラ伝導率が最高の粘土で作って欲しいものがある。設計はこっちがやるから帰ったら作れ」
「なんだよ、傀儡の仕込みか?」
「まあそんなところだ」
「ってか、三尾仕留めたのか。意外とやるじゃねーか、うん」
「行くぞ、一尾と三尾両方封印しなきゃならねえからな……」
サソリとデイダラの鳥に飛び乗り、鳥に繋いだ縄で巨体引きずって外道魔像の元へと向かった。