第14章 雷雨
「そこでお前たちにはこの死体集めと、戦争においてこちら側の陣営として動いてもらいたい。」
「せ……戦争?!嘘でしょ?!」
水月はダラダラと身体が解けていく。
「嘘ではない。来る五影会談にて宣戦布告をする。」
トビはくるりと背を向けた。このままでは本当に戦争に巻き込まれる。それは水月の生命の危険を表していた。
「サ、ササササスケェ〜!本当に手を組むの?!戦争だよ?!死ぬかもしれないんだよ?!」
「水月落ち着け。もう既にカブトと話はついている。」
「ハ、ハァアァ……?!」
「カブト、死体の場所を教えろ」
一人スタスタとカブトの元へ歩いていくサスケ。反抗できるはずがない。しかも何がタチが悪いって、サスケはボクたちが付いてきてくれると信じきっているところだ。
「ボ、ボクたちに利益ないよねぇコレ…!」
「何言ってんだこのバカ!サスケの事だから、何か考えがあるに決まってんだろ…!」
「重吾はどう思ってんのさ?!本当について行くの?!」
水月は重吾を振り返る。いつもの様に温和な顔立ちで眺めていると思いきや、呪印が浮かび上がってきていた。
「オレは……オレは、殺せれば…殺してェ…殺してェよォオ!!」
「うわああ!サスケ!サスケ!!」
水月と香燐は今にも暴れだしそうな重吾に抱きつく。はたしてこれから先スムーズに事は運ぶのかと、カブトはひそかにため息をついた。