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邯鄲の夢【NARUTO】

第14章 雷雨




サスケの濃紺の髪がさらに逆立つ。
まっさらな地表をただ歩いていくと、突然ぽかんと穴が空いた場所へ辿り着いた。

「あぁ〜…風が吹く度に身体が持ってかれる…」

水月がどこからか水筒を取りだし、力強く押し潰してチューブから口へ水を噴出した。

「民家どころか、人っ子一人いねぇな……サスケ、一体こんな所に何があるってんだ?」

三人の前を先導していたサスケが歩みを止める。
サスケの先の景色を見ようと、水月と香燐が覗き込む。
ぶわりとひときわ強く吹いた風に目を細めながら、広がるクレーターに驚きの声を上げる。

「来たか」

四人が降り立つと、砂埃が強く舞った。
トビはその中を切って進んでくるサスケの目付きに、満足そうに仮面の中で笑みを浮かべる。

足音が増えたのを察知したカブトが振り返る。その風貌にサスケの背後に立つ三人は身体を強ばらせた。

「……大蛇丸様…?」

「似ているが……違う。カブトだ。」

重吾が数歩前に出て庇うように腕を翳した。

「カブト?!前会った時と全然違うじゃん!」

「ああ…あの時か。まだ不完全な状態だったから僕としては忘れて欲しくもあるね」

重吾は恐る恐る警戒を解く。本題が遅れている事に痺れを切らしたサスケが口を開いた。



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