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邯鄲の夢【NARUTO】

第11章 十一朝



「あの……前の宿の時から、どうしても、その、トビさんを意識してしまって……」

鎖羅は絡ませた指を軽く握る。布越しに感じる温もりは間違いなくトビのものだった。

「不思議な人なのに、ちゃんと息してたり、身体がとってもあたたかかったり……心もきっとあったかい人なんだなって思うと、お腹のそこから何かが溢れ出す感覚が止まらないんです……。」

「…………あったかい?……ボクが?」

「はい………。私にはこの溢れる何かをどうすることも出来なくって………、こうやって抱き締めても」

鎖羅はゆっくりとトビに腕を回した。柔く抱きしめられる感覚にトビは僅かに体を強ばらせる。

「………やっぱり。止まらないんです。今もずっと、まるで洪水の様にずっと溢れてます……。トビさん、どうしたら良いんですか…?」

トビは解かれた腕を掴む。鎖羅の表情はとても蕩けているが、なんだか苦しそうに眉間に皺を寄せていた。

「教えてくださいトビさん………お願いします」


衝動的だった。
自分も抑えることが出来なかった感情を、鎖羅にぶつける。
手早く仮面をずらしたトビは繋いだ唇を優しく食んで、角度を変えながら鎖羅を腕の中にしまい込んだ。

二人の柔らかい双丘は薄く開かれると、水音をたてながら更に深く繋がり合う。
とてもぎこちない鎖羅の舌の動きをリードする様に、吸い上げながらくるくると絡ませる。
まるで踊るような上品な動きかと思えば、舌を出して荒い息を上げながらお互いの味蕾を擦り合わせた。

───脳がとろけるくらい気持ちいい。
鎖羅は初めての感覚に身を委ねる。少し離れただけで、舌にジンジンと残る甘い快感はまた更にトビの口付けを欲した。
それはトビも同じのようで、しきりに鎖羅の耳付近を撫でるように手を動かしている。1ミリ足りとも離す気は無い。二人の間を繋いだ銀糸さえもがいつまでも光っていた。



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