第2章 二夜
それは大きな柱となり、里の半分を覆った。
「砂とくれば一尾には有利か……このフィールド全体が武器と思った方が良いな、うん」
守鶴を模した手がデイダラを追いかける。
デイダラは手を開き、手中の起爆粘土を砂の手へと投下した。
爆発の後、手は千切れて元の砂へと戻っていく。
「そらよ!」
我愛羅はデイダラの攻撃に表情ひとつ変えることなく冷静に判断する。
デイダラの放つ爆発物はどうやらデイダラの意思によって行動しているようだ。
「よォし……」
格段にスピードが上がった起爆粘土が我愛羅めがけて飛んでいく。砂で咄嗟に守ったが、二羽とも一気に爆発した。
「ハンッ、さすが絶対防御と言ったところだな。うん」
我愛羅の姿は固い砂の卵の中に包まれて見えない。
突如、デイダラを大きい影が覆う。
「砂縛柩……」
砂の手はデイダラを握りつぶす。
咄嗟に逃げたが、デイダラの左腕が捕まれブチブチと骨ごと引きちぎられる。
「ッぐぁっ…!」
猛烈な痛みに顔を歪める。
片手を持っていかれたのは惜しいが、右腕で練っていた起爆粘土がまだある。
「…ッまあいい、とっておきだ!オイラのチャクラの最大量を練りこんだC3、最高大作だぜ……!」
ぽっかりと3つの穴が空いた巨大な起爆粘土は里へと降下していく。
「ッ……間に合え!」
黄色い光の後、起爆粘土は大爆発する。
里の忍は一斉に顔を覆った。