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邯鄲の夢【NARUTO】

第9章 九夜




「ハンッ!オイラの芸術を死体のお前にも分からせてやる!」

爆発に仰け反った男にデイダラは次々と追撃を食らわす。蜘蛛型の小型起爆粘土が身体を昇っていく。空を旋回していた鳥の足をつかんで身体を翻し、印を結んだ。

「!!」

蜘蛛型起爆粘土は一斉に身体から離れると、空中に放り投げられそのまま爆発する。煙の中から現れた男は両手を広げ、掲げていた。

「厄介だな、輪廻眼…!」

地上に飛び降りて印を結び、デイダラは地中へと沈んでいく。それを見逃さなかった男は、一気に飛び上がって沈んでいった地点に拳を突き立てた。大きな衝撃波と共に亀裂が走り、地面は隆起する。しかし、地中にいると思われたデイダラはおらず、男の腕を白い起爆粘土が待ち受けていた。


「簡易地雷だ!!喝!!」

黄色い光を発した後、男の腕を包み込んだ起爆粘土は一斉に爆発する。


「上出来だな、うん!」


「………何が上出来だ?」


デイダラは咄嗟に背後を振り向こうとしたが、頭を掴まれていて動けない。チャクラを引き抜かれる感覚に、デイダラの両腕はだらんと垂れ下がった。


「質問する。お前が自分以上の芸術だと思ったものは写輪眼、そうだな?」

「………ッ」

デイダラは後光を受け、妖艶に光り輝く紅き写輪眼を思い出す。あの日から自分の芸術を追い求める度に、脳裏にチラつくのはそればっかりだった。
───認めちゃいねェ……あんなのがオイラ以上だなんて……!



「いいや………」

「………嘘をついているな」

男の手がデイダラの魂を抜き取ろうとした時、デイダラの左目の瞳孔がキュッと狭まった。



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