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邯鄲の夢【NARUTO】

第9章 九夜




「ッい、いやだ!!誰か助け───」

瞬間、鈍い音と同時に二人の男はそれぞれ左右に吹っ飛んで壁へ激突した。
恐る恐る見上げれば、桜色の髪が揺れている。

「サクラさん!」

「しっ!……ニナさん、遅れてごめんなさい」

「!………サクラさん、どうして私はここに?」

ニナは声の声量を落とし、手枷を外すサクラに問う。血が滲んでいる手首に何やら手をかざすと、みるみるうちに傷は塞がっていった。

「今は話せないんです。でも無事外に出れたらちゃんと話します」


サクラさんは拘束が解かれた私を抱き上げて走り抜ける。体感したことの無い速度に目をつぶって、体の浮遊感に耐えた。刺すような日光を感じて目を開ければ、里の外の森近くへ到着していた。


「さあ、ニナさん、荷物を………」


サクラさんに伸ばした手は、リュックを掴むことなく倒れていく。立っていられないほどの地面の揺れと地響きに二人は地に這いつくばって様子を伺う。酔いそうになりながらも里上空に視線をやれば、目を疑う光景が広がっていた。



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