第8章 八夜
病院へ帰り、風呂を済ませたニナはベッドに寝そべって天井を見つめていた。今日の事が楽しくて、胸のドキドキはまだ収まらない。ふふっ、と笑みを零して寝返りを打つ。
ニナは記憶が無いことの焦りなど一切感じていなかった。
毎日行われる検査とこの管が外れる頃にはこの里でサクラ達と一緒に住みたいと、そう望んでいた。
──────────
「デイダラセンパイ!やっぱ居ないッス!」
「そうか……、どうやら無事木の葉に引き取られたみたいだな。うん」
デイダラはサソリが待つ粘土造形の鳥の上に飛び乗る。心配などする必要もなかったが、無事サソリの潜脳操砂は効いているらしい。
「早く帰るぞ……メンテだってまだ途中だ」
「分かってんスよ旦那、オイラもまだ採り足りねぇ」
「リーダーも用心深いッスよね〜、わざわざ一週間も準備期間与えるなんて」
「それくらいヘマ出来ねぇ任務ってこった。トビも帰ったら用意しとけよ」
「オッス!」
暁の空をアジトめがけて風を切る。作戦開始は明日の昼。刻々とその時は迫っていた。