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邯鄲の夢【NARUTO】

第8章 八夜




「うーん……名前や出身、年齢はもちろん、持ち物の中すら心当たりがないとなると……困ったねえ」

「なにか……あるんですか?」

「いやいや、そういう訳じゃないよ。まっ、君には……ニナにはこれからカウンセラーからの診察を記憶を取り戻すまでの間受けてもらうから。そういうことで」

椅子から経ち、カカシさんは病室から出ていった。質問中、自分のことを思い出そうとしても頭痛が酷くなるだけでどうしても叶わない。まるでこの病室から人生が始まったかのような、変な感覚に陥っていた。



「……どうでした、カカシさん」

「なーんにも。情報を引き出せないんじゃあ、このまま日を待つだけかもね……。そっちはなにか報告ある?」

「やはりあの書の暗号はどのパターンにも当てはまりませんでした。なにか特異的な能力を持つものでないと読めないのかもしれません。」

「そっか。じゃあ綱手様に報告頼むね。」

カカシは解読班にカウンセリング結果を手渡し、病院を後にする。

最初こそ顔を見てもピンとこなかった。しかし、所持品を調べてみると、禁術の巻物に日記のような書が数冊。記録を遡ってみると、彼女は夢見の里を一夜で潰した張本人だということが分かった。
綱手様は彼女を暁のスパイだと疑い、なにか情報を得られるのなら身柄を拘束して里の管理下に置き、得られないのなら火種は潰すべきだと仰った。


だがカカシは妙な胸騒ぎを感じていた。火影の判断が下される日はきっかり一週間後。その日は自分は任務で不在だ。

清涼な風を浴び、カカシは思考を振り払う。
一枚の木の葉が枝から滑り落ちた。



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