第7章 七夜
「そんなの、長続きなんかしません」
「!」
外套を床に脱ぎ捨てた。
「貴方の言う痛みで、私は全てを失いました。だけど、平和など得られなかった!!
痛みを与えたってなにも残らないッッ!!」
指輪を投げ捨てて、藤色の輪廻眼を真っ直ぐに見つめる。リーダーの纏う雰囲気が変わった。それを感じ取った鎖羅は逃げ出したくなるほどの悪寒に襲われるが、腰を引いてはいけないのだ。
「暁に仇なすと言うのか………」
ペインは鎖羅に向けて手を翳した。その瞬間、懐に飛び込んできた拳に呻き声を上げ、鎖羅はそのまま膝をついた。気絶したようだ。
「おいおいリーダー、こんな狭ぇとこでおっぱじめられたらたまったもんじゃないスよ…」
デイダラは腕にもたれ掛かる鎖羅を担ぐ。
「元はオイラたちの相方だ、裏切り者は粛清だろ?うん?」
「…………」
ペインは翳された手をスッと下げる。そしてデイダラはくるりと背を向けて、鎖羅を担いだままアジトの外へ向かった。その後をサソリが着いていく。
「ペイン……」
「一人欠けたが、実行は決められたことだ。各々残り一週間は英気を養え。」
淡々とそう告げ、メンバーは解散する。
トビは床に打ち捨てられた外套と指輪をひっそりと時空間へ飛ばした。