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また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


分娩室前に戻ると、中からは先輩女医の
スタッフへの指示の声が飛び交っていた。

『輸血ーーーて!
ーオキシーーミリーーー追加ーーー』

ところどころしか、聞こえないが
輸血の言葉に、家康は桜奈が
弛緩出血状態にあると察した。

《※弛緩出血とは、赤ちゃんと胎盤が
お腹から出た後、本来なら子宮が
収縮すること で止まるはずの出血が
延々と続いてしまう状態のことをいいます》

特別な許可がおり、桜奈の側に
ついていることになった家康。
不安な表情と、『どうか』と祈り懇願する
ように家康を見送る鷹介と千里に
(絶対に大丈夫ですから!)と
コクッと頷き、分娩室へと入っていった。

感染予防衣に身を包み、桜奈の側に
駆け寄る家康。
疲労と出血のせいで、青白く血の気のない
桜奈の顔色に、家康は驚愕し
焦りと不安に一気に飲み込まれて行く。

『桜奈?』と桜奈の手を握り
声をかけるが、反応がない。

不安に押しつぶされそうな表情で
みるみる青ざめて行く家康。

もしも、このまま桜奈を失ったらと
悪い考えだけが、頭の中を駆け巡り
握る手に自然と力が入った。

また、『桜奈?』と声をかけながら
(頼む!頼むから!!俺をまた一人に
しないでくれ!!桜奈!)
無我夢中で、心の中でそう懇願する家康は

また一人にしないでと、『また』と
言う言葉を使った自覚すらなかった。

強く握りしめられた刺激で
不意に目を開けた桜奈は

『家康さん?どうしたの?
泣きそうな顔してる・・・』

目を開けた桜奈に、いっ時でも
安堵に包まれた家康は

『なんでもないよ。桜奈が
目を覚さないから、ちょっとびびっただけ。
また、置いて行かれるかと思って
怖くなったけど、大丈夫だから。』

体力の限界はとうに超えた上
出血で、更に体力を削られた桜奈の
意識は、朦朧として
本人は、強烈な睡魔に襲われつつ
家康と会話している状態だった。
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