第27章 〜番外編その4〜
家康の肩に持たれるようにしながら
フゥッ〜と大きく息を吐く桜奈。
『あっーびっくりした。急にお腹
痛くなって、陣痛が始まったのかと
思った』と家康をみながらそう言う桜奈
だったが
家康は、乱れた髪を整えるように
桜奈の頭を撫でながら
『うん、たぶん、始まったかも。
まだ、間隔は長いけど
これから、少しずつ、今みたいな痛みが
増えてくると思う。大丈夫?』と
困ったように微笑見ながら、桜奈に
語りかけると
びっくりしたように
『えっ!そうなの?』と
目をまんまるくした。
その表情があまりに可愛いくて
ぷっと、吹き出すと
『うん、早ければ、明日か、明後日には
俺も桜奈もパパとママになってるよ』
『そっかぁー、予定より早く
生まれてきてくれるんだ。』
と、お腹を眺めながら、さすっていたが
『桜奈!早めにご飯食べましょう
陣痛が本格的になったら、ご飯食べられ
なくなっちゃうから・・・しっかり食べて
体力つけとこ!』と、割れた皿を片付け終わり
ご飯の準備をしながら、千里はそう言った。
『うん、そうだね。ご飯は食べられるうちに
食べておこう。まだ、痛みの間隔は不規則
だから、それまで、食べたり眠ったり
しながら、体力温存しとこ。』
家康に促され、支えてもらいながら
食卓についた桜奈。
さっきの痛みが、嘘のように
しっかりと、ご飯を食べた。
だが、やはり陣痛は始まっていたようで
痛みの間隔は、少しずつ短くなってきた。
家康が病院に連絡をし
10分おきの痛みになったら
連れてくるように言われ
入院の為に準備したものを
鷹介と家康が車に積み込み待った。
そして、10分間隔になったことを
確認すると、陣痛の合間をぬうように
車で病院に向かった。
始めの痛みから、6時間は経っていた。
定期的に押し寄せるてくる痛みに
お腹だけでなく、腰も痛くなる。
痛みに、顔を歪める桜奈。