第27章 〜番外編その4〜
お誕生日会とクリスマス会は
最後まで、双子達の愛くるしさに
大人達は翻弄され、癒されつつ
あげたプレゼント以上に、双子達からは
もっと別のプレゼントをもらったような
気がした。
クリスマスが終わると、年の瀬は
あっという間に訪れた。
家康は、桜奈の出産に備えて
上杉家から通勤中。
桜奈の予定日前後に休みを
希望した為、元旦以外の年末年始は
仕事が入っていた家康。
今日は、大晦日。
夜勤明けで帰ってきた家康は
桜奈の部屋で眠っていた。
朝から、少しお腹の張りが気になっていた
桜奈。
おせち料理の準備をしながら
時々、張りを感じては
座ってお腹を、さすっていた。
『桜奈、どうしたの?
お腹痛いの?』
『ううん、
痛いわけじゃないのよ・・・
少し、張る感じって言うのかな。
でも、赤ちゃんは元気よ。
さっきからお腹蹴られて
痛いくらいだもん。そのせいで
張ってるのかも』と大したことではないと
また、できる作業を手伝う桜奈。
おせち料理の準備も終わり
夕飯の為に、お皿を並べていた
桜奈。
最後の一枚を並べようとした時
お腹がギュッーと痛みだした。
痛みで、力が入らず持っていた皿が
床に落ち、パリーンッと破れた。
音に驚き、振り向く千里。
『桜奈!!大丈夫?
鷹介さん、家康君、ちょっときてー!!』
と、声を張り上げた。
千里の声に各自室にいた鷹介と家康は
飛んできた。
眉をひそめ、蹲る桜奈の姿に
動揺した家康は、桜奈に駆け寄ろうと
するが
『家康君、気をつけて!割れたお皿の
破片があるから!鷹介さん、掃除機!』
と、テキパキと指示を出す千里。
オロオロしながら、わ、わ、分かったと
掃除機を取りに行く鷹介と
破片を避けながら桜奈の
側に行く家康。
千里は、家康に桜奈を任せると
割れたお皿を片付け始めた。
家康は、桜奈をお姫様抱っこし
ソファーへと座らせた。