第27章 〜番外編その4〜
久々に顔を合わせる各家族。
上杉家と小野寺家は、ご近所で
昔からの顔馴染み。
上杉家と徳永家は、父親同士が親友で
家康と桜奈の婚姻で姻戚関係でもあり
小野寺家と徳永家も信長と詩織の婚姻で
姻戚関係。
世の中は、思ったより狭いのだ。
詩織お手製の色違いのドレスを着た
双子ちゃんは、なりきりお姫様で
とても可愛いかった。
桜奈お手製のケーキに興味津々で
『ケーキ!ふうする』『ケーキ!』と
早く、蝋燭を消したいと催促した。
自分達が主役だと言うことを
分かっているように
両家のじいじとばぁばに
目一杯、可愛さを披露する。
『上杉、お前ももうすぐ、じぃじだな』
と、家康の父にぽんと肩を叩かれた。
『孫な、孫かぁ・・可愛いだろうなー。
凛桜ちゃんと優月ちゃん見てるだけでも
顔がニヤけて、緩むし』と、一足先に
にじぃじになった親友にそう言った。
『目に入れても痛くないとか言うだろ?
あれ、ほんとだぞ!!可愛くて仕方ないよ。
次は、男の子だし、楽しみだよ。』
『年明けたらすぐだ。僕も引退したし
ゆっくり孫と遊ぶよ!徳永の新薬の方は
どうなんだ?』
『ああ、あと少しのところだけど
まだ、時間かかるかもな。仕方ないから
先に遊ばせてやるかなぁ、ああ、俺も
孫とゆっくりしたいよ・・・』
残念そうな顔する、ふとした表情は
やはり親子で、家康とよく似ていると
思う鷹介だった。
『はーい、じゃ皆さん。娘達の為に
バースデーの歌を宜しくお願いしまーす』
と、詩織の合図で
蝋燭に火が灯り、照明が落ち
歌が始まった。
蝋燭と、クリスマスツリーのイルミネーション
に照らされた、双子ちゃんの顔は
ワクワク、キラキラして、とても嬉しそう。
小さくても、自分達が『特別』の舞台に
立っているのだと、ちゃんと自覚している
ようだった。
『女の子は、やっぱりおませさんよねー
男の子とは違うわ。』
と、家康の母。千里も詩織の母も
覚えがあり、にこやかな顔で
うんうんと頷いた。