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また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


家康が、あの日時が止まればいいと
思った日からも、時は刻一刻と過ぎ去って
行く。

微睡の中で、誰かと約束した夢を
見た気もしたが、それさえも
記憶の彼方へと埋れていった。

夏が過ぎ、秋が過ぎ、少しずつ
お腹は大きくなり、すっかり
妊婦さんらしくなった桜奈。

クリスマスの書き入れ時の
1番忙しくなる時に、産休に入ることを
それは、それは、申し訳なさそうに
する桜奈に

『何言ってんの?
お店なんて、政宗を働かせれば
どうにでもなるから!
なんなら、お義母さんまで
借り出すから、心配しなくていいの!
お義母さん、私や政宗より、腕のいい
パティシエだしね!あっ、ほんとに
頼もうかな』とクスッとしながら

『そんなことより母子ともに健康に
無事に出産できることを、祈ってるからね。
赤ちゃん産まれたら、教えてね!
政宗とお祝いに行くから!』

そう言って、仕事終わりの日
見送ってくれた愛花。

『ありがとうございます!
落ち着いたら、また挨拶に伺いますね!
もし、人手が足りなければ
ラッピングでもなんでも、手伝いに
きますから、声かけて下さいね!』

涙目で、愛花の優しさに感謝しながら
桜奈は、そう言った。

『うん、うん、じゃ、にっちもさっちもって
なったら、お願いするよ!
気に病まなくて、大丈夫よ。
それより、くれぐれも気をつけて帰ってよ!
足元、もう見えないでしょ?
転ばないようにね!』

自分の体験から、お腹で足先が
見えなくなり、少しの段差でも
躓きそうになったことを思い出し
気をつけるよう念押しする愛花。

『はい、気をつけます。
じゃ、すみません、お先に失礼します』と
大きなお腹を抱えながら、帰って行く桜奈。

明日から、12月だが
世間は、すっかりクリスマスに衣装替え
され、クリスマス色に彩られていた。
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