第27章 〜番外編その4〜
2週間後の妊婦検診で
心音も確認できて、お腹の子は順調に
育っていた。
まだ、安定期ではない為
無理はできないが、つわりも思っていたほど
酷くはなく、仕事に影響がでることはなかった。
妊娠が分かった翌日には、両親には電話で
報告も済ませ、近いうちに経過の報告がてら
帰る約束をしていた。
詩織にも電話をすると
我が事のように喜んでくれたが
電話の向こうで、ガシャーン、ドスン
ビェェー、うわぁ〜んと、ちびっ子怪獣
大暴れの音がして
『あっ、ちょっ、何してんのー』と
電話中でも、目が離せない様子の詩織に
『しぃちゃん、今度の木曜日に
家康さんと遊びいくね!ごめんね。
凛桜ちゃんと優月ちゃんみてあげて!
じゃあね!切るね』と焦る桜奈に
『ああ、ごめんね。騒がしくて。
ゆっくり話できなくて、残念。
でも、木曜日待ってるよ。そん時にいっぱい
話そうね!』と電話を切った。
電話を終え(しぃちゃん、大変そうだな・・・
遊びいっても、大丈夫かな?)と
少し不安になる桜奈だったが
詩織の方は
(ああ、久しぶりに桜奈とお喋り
できるー!)とルンルンし、楽しみで
木曜日よ早くこい!と首を長くしながら
待っていた。
そして、木曜日になり自宅を訪ねた
家康と桜奈。
ピンポーン
『はーい!待ってたよー!』と
玄関を開ける詩織。
『しぃちゃん、久しぶり!』と満面の笑みの
桜奈と
『どーも。』と家康。
『さっ、入って、入って』と促す詩織。
リビングに案内されると
サークルの柵を掴み『あーぅー』『きぃー』
と、喃語を発しながら
ここから出せと訴える双子ちゃん達。
『あー、はいはい。今開けるから』と
サークルが開くと、待ってましたとばかりに
よちよちと歩き、詩織にしがみついてきた。
『///かっ、可愛いー!歩いてるよ
ねぇ、家康さん!!///』とメロメロになる
桜奈だったが、家康も顔が綻び
小さなお姫様達に釘付け。
前回会った時は、まだハイハイの頃。
家康に至っては、やっと寝返りがうてるように
なった頃に会ったきりだった。