• テキストサイズ

また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


『あっ?何、ごめん。
今、幸せ噛み締めてて、聞いてなかった。』

びっくりするほど、素直に答える家康に
一瞬、ギョッとし、ぷっと吹き出す桜奈。

『ふふ、幸せ噛み締めてたんですか?
良かったですね、幸せで』と普段の家康では
あり得ない台詞に、可愛いと思いながら
冷やかす桜奈。

『べ、別にいいでしょ?幸せなんだから
幸せ感じてたって・・・』恥ずかしい台詞を
口にした気分の家康だったが、開き直り
そういった。

(あっ、開き直った・・・クスッ可愛い)

『偶然ですねー、私も凄く幸せですよ。
お互いに、幸せで何よりですね』と
嬉しそうに、ふわりと微笑む桜奈。

『でしょ?』と微笑み返す家康。

こんな、些細なやりとりですら
二人を満たして行く。

他愛ない会話でも充分なのだ。
それは、相手を想っていることが
ちゃんと相手に伝わり
自分が想われていることも
ちゃんと感じられる中でのやりとりなら
どんな些細なことでも、幸せが溢れる。

好きだけでは足りない
貴方がいてくれることが嬉しいと言う
存在肯定は、相手だけでなく
自分をも満たしてくれる。

何も望んでなどいない。

君さえいてくれたら
貴方さえいてくれたら

それだけで、幸せ。

その原点とも言える願いを忘れて
求め始めると、関係性は歪み、壊れて
しまうことがある。

この先、また原点を忘れ
求めることで、関係が歪み出したら
家康は、今日のように何度でも
気づくに違いない。

それは、桜奈も同じこと。
何度でも向き合い、話し合い
お互いを理解しようと、努め合うだろう。

それは、お互いにとって
文字通り『かけがえのない人』であり
唯一人の人だから。

食卓を囲み、微笑み合う二人は
出会ったあの瞬間に
きっと分かっていたに違いないのだ。

ずっと探し求めた、魂の片割れ(ツインレイ)を
見つけたのだと言うことを・・・。
/ 978ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp