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また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


二人で、夕食を取りながら
今後について話をした。

家康は、仕事を続けるのは問題ないが
少しでも、体調に異常を感じたら
相談するように念押した。

家の事は、気にしなくていいし
できるだけ桜奈の負担を
減らせるよう自分も努力すると
言ってくれた。

それでも、お互いに忙しい時は
外食でも、家事代行でも
使えるものは、なんでもつかいながら
無理なく仕事を続けられるように
しようと言う事になった。

仕事を抑えた方がいい、辞めた方がいいと
言われることも、子供の為には仕方ないの
かも知れないと、半ば諦めの気持ちを
抱いていた桜奈。

まさか、家康から仕事を応援して
もらえるとは思っていなかった。

嬉しくて、涙ぐむ桜奈に
『大袈裟。当たり前でしょ?
桜奈から夢を取り上げるような
ことしたら、後で恨まれそうだし・・・』
と、わざとらしく肩を竦める家康。

『流石に、恨むまではしないですよ
人聞き悪い・・・せいぜい、あの時は〜って
根には持つかも知れませんけど。』
と涙目を擦りながら
クスっと笑う桜奈に

『それ、一番気をつけなきゃダメなやつだ。
恨まれるより、根深くなりそうだもん。
桜奈を怒らすと、口きいてもらえない
しね』と、言いながら
ふと昔の出来事が、思い出された。

『えーっ?そんなことありました?』と
忘れているのか、全く身に覚えがないと
言いたげな桜奈。

(あの時は、まじで怒らせちゃヤバイと
思ったっけ・・・)

あれから、10年も経ったのかと思うと
感慨深く、何度も手離さなければ
諦めなければと、苦悩した日々が
昨日のことのように思えてくる。

時々、朝目覚めたら全てが夢なんて
ことだったら、どうしよう・・と
柄にもなく不安になる程、幸せなのだ。
そして、来年には自分と桜奈との間に
子供が生まれる。

(ああ、俺、本当に幸せの中にいる・・)
じーんと、幸せを、噛み締める家康に

『・・・で、大丈夫ですよね?
家康さん?聞いてます?』と桜奈に
声をかけられハッと我に返った。
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