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また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


『はい、あの・・・
実は、妊娠してるって分かって・・』
と、はにかみながら、嬉しそうに報告する
桜奈を見つめる愛花は、ゆっくりと驚きの
表情になっていき

『えっ?赤ちゃん、赤ちゃんできたの?』と
ぱぁっと喜びの表情に変わって行った。

コクッと、照れながら頷く桜奈に

『うわぁー!おめでとう』と抱きつき
背中をパンパンと軽く叩きながら
『良かったねー!楽しみだねー!』と
祝福してくれたのだった。

『ありがとう、ございます。』と
答える桜奈。

『そっか、それで体調がイマイチだったんだね。
つわりとかは?』と体調不良の原因が
病気ではなく、ほっとする愛花だったが
自分もつわりが酷かった事を思い出し
心配してくれた。

『少し、出始めてますけど、まだ
酷いって程ではないです。
炊きたてのご飯の匂いは、ちょっとダメ
みたいですけど』と苦笑いしながら
小首を、傾げた。

『あー、分かるー、私もそうだった』と
座るように、促しながらお茶を入れてくれた。

愛花も政宗と結婚し、一児の母となっていた。
パティシエは、見た目より重労働なのだ。
自分の店を持とうとしている矢先だった為
色々と無理をし、流産しかけて
政宗にしこたま怒られたことがあった。

結局、出産し落ちつくまで
店を持つことを延期し、やっと去年
オープンに漕ぎ着けた。

そんな経緯を知っている桜奈だった為
迷惑をかける訳には行かないと
強く思っていたのだ。
だが、愛花は

『桜奈ちゃん、うちはブラックじゃ
ないからね!無理はしないで。
体調悪かったら、休んでいいし
シフトも、調整するし、今一番大事に
しなきゃならないのは、お腹の赤ちゃん
だから。

私も仕事を優先しすぎて
流産しかけた時は、本当に後悔したよ。
もし、あのまま無理してたら
うちの、愛しの王子様には会えなく
なってたかもって思うと、ゾッとするもん』
その頃を思い出しているのか
反省しきりの表情で苦笑いした。
(本当に、もしあのまま無理してたらと思うと
今でも、怖くなる)そう思う愛花だった。
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