第5章 〜知りたい〜
お風呂掃除をしながら、桜奈は
ご機嫌だった。
(徳永さんが、徳川家康の末裔だなんて!!
凄い!奇跡だ!きゃー!末裔と握手しちゃった!
あー、家康も徳永さんみたいにイケメンだった
のかなぁ、血筋だから似てたりするのかな
って、そんな訳ないか。あーでも、夏休みの間
徳川家康の末裔と暮らせちゃうんだ私!
なんか、超ラッキーかも♪)
徳川家康の末裔と分かった、家康への思いは
憧れのアイドルと変わらなくなっていた。
(明日、しぃちゃんにも報告しなくちゃ!)
そう思いながら、お風呂掃除を終えて
リビングに戻ると、洗い物を終えた家康に
声をかけられた。
『どんぶりって、どこにしまうのかな?』
『あっ、洗い物ありがとうございました。
あと、私がやりますから、置いといて
下さい!』と家康の側による桜奈。
『あー、でも、一応、食器の場所
知っておきたいし。また借りて使うことも
あるだろうし』
『あっ、そっか。そうですね』と家康を
見上げ、ニコッとすると
『えっと、どんぶりは、ここです』と
食器棚を開け、指差した。
『分かった、ありがとう。』
どんぶりを片付けながら家康は
『なんか、もう普通に目合わせて
話してくれるようになって、ホッとした。
実は、本当に嫌がられてたらどうしようって
正直、不安だったから』
と、ふっと安心したように穏やかな
笑みを浮かべ桜奈を見る、家康。
(///キューン//)として、またドキドキ
する桜奈。(優しそうな笑顔だなぁー)