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また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


研修医時代に産婦人科での研修の時。
悪阻が酷くて、食事が取れなくなって
入院してきた人がいた。

食欲の状態を問診する中で
その患者が言っていた。

(『もう、苦痛なのが、炊きたてのご飯の
匂いで、朝、上の子のお弁当を作るのに
吐きけと戦いながら作ってましたよ。』
そう言ってたな、あの患者さん・・もしかして)
と、一つの可能性を考える家康。

『ねぇ、桜奈。生理遅れたり
してない?』と真剣な顔で尋ねる家康。

(ん?なんで急に・・確かに、予定より
ちょっと遅れてはいるけど・・・!!!
えっ、まさか!?)

桜奈もまた、一つの可能性に
目をまんまるくして、驚いた。

『確かに、予定より遅れてるけど・・
元々、きっちりじゃなから・・でも、なんで?
えっ?えっ?もしかして、赤ちゃん?』

期待に胸膨らむ自分を、まだ分からないからと
必死に自制しようとするが、嬉しさが勝る。

『うん、可能性あるかも。調べてみないと
分かんないけど、病院行ってみよ?』と
言われ、コクッと頷く桜奈。

(ほんとに?ほんとに赤ちゃんいるの?)
信じられないような気持ちで
自分の下腹部をみて、そっと手を当てた。

『あっ、じゃ愛花さんに、連絡する。
体調悪いなら、無理しないで休みなさいって
言ってもらってたし・・』

『そうだね、じゃ、ご飯食べて
一緒に病院行こうか』と家康も
信じられないような気持ちに、ふわふわし
浮き足立ちそうな自分をなんとか
抑えていた。

それから病院に行った二人。
家康は、仕事だったが
『診察が終わったら絶対、連絡いれてよ』と
何度も念押しして、後ろ髪引かれつつ
家康も外来診察の向かった。
わざわざ、女医の先輩医師にお願いする
念の入れよう。
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