第27章 〜番外編その4〜
『美味しい、家康さん、お料理上手に
なってきましたね!』とニコニコしながら
うどん食べる桜奈。
『ちょっとは、できるようになんなきゃ。
子供でも生まれたら・・・!!!』
(子供?もしかして、妊娠とか?
いや、まさかな・・・)
『子供が生まれたら?いいですね。
赤ちゃん、欲しいな・・・あっ!そうだ
家康さんが帰って来る前に夢みてたんですよ。
可愛い男の子が私に会いにきたよって
足にしがみついてきて。
それが凄く可愛いくて、私も待ってたよって
ぎゅーってしてたら目が覚めちゃったんですよ。
なんか、幸せだったな・・もうちょっと
夢の中にいたかったな・・』
思い出しながら、うっとりと幸せそうな
顔になる桜奈に、子供が生まれたら
子供にすら嫉妬しかねない自分を感じ
内心で呆れながら『へぇー』と返事をした。
だが、幸せそうな桜奈の表情に
既に夢にすら嫉妬していたのであろう。
テンションは下がり気味になり
なんだかモヤっとした気分になっていた。
(子供かぁ、想像つかないな・・
兄貴のとこの双子は、可愛いけど・・・)
『そう言えば、兄貴んとこの双子は
元気かな・・・』
『凛桜ちゃんと優月ちゃん?元気だよー。
しぃちゃん、悲鳴あげてたよ。
歩くようになったら、片時も目が離せない
って。でも可愛いよねー、近いうちに
遊びに行こうよ!会いたい!!』
『うん、そうだね。俺も会いたいし・・
その前に、体調戻さないとな・・
俺も眠いし、今日は一日中寝て過ごすか!』
片付けを終えると、二人はまたベッドにもぐる。
夜勤明けの家康は、桜奈を抱きしめると
あっという間に、スヤスヤと眠りについた。
抱きしめられて、身動きのとれない桜奈
だったが、この腕の中以上に安心出来る
場所もないように思えた。
家康の胸に顔を埋め、家康の匂いを
胸いっぱい吸い込み、安心したように
桜奈もまた、ウトウトと微睡の
幸せに浸るのだった。