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また、恋してくれますか。

第27章 〜番外編その4〜


帰宅した後、食欲は全然湧かないが
少し食べてから、ゆっくりお風呂に浸かり
早めにベッドに入って、休むことにした桜奈。

家康が隣にいないダブルベッドは
やけに広くて、体調が良くないせいか
いつもより寂しく感じてしまう。

家康の枕を撫でながら、ウトウトする桜奈。
やがて、スッと眠りに落ちていった。

気がつくと、柔らかく温かな光に
つつまれた、白い部屋に立つ桜奈。
少し離れた場所で、3歳くらいの
小さな男の子が自分に向かって
ニコニコしながら
何かを言って、手を振っている。

『・・・たよ・・・』

(ん?なんて言ってるのか聞こえない。
顔も眩しくてよく見えないけど
何か、幸せ・・・)

『・・ぼく・・・たよ・・・』

必死にその子に近づき手を伸ばす。
『何?なんて言ったの?』
と、尋ね、その子の手をとると
その子は、誰かによく似た笑顔で

『ぼく、会いにきたよ・・・』
と、桜奈の足につかまり
満面の笑みで桜奈を見上げた。

桜奈は、かがんでその子を
ぎゅーっと抱きしめると
『うん、待ってたよ!約束したもんね。
ずっと待ってたんだよ・・会いにきて
くれて嬉しい、ありがとう』と
答えた。

自分の意思とは関係なく
勝手に口から出た言葉に
自分がびっくりし

(えっ?私、何言ってるんだろ?
でも、なんでかな?この子にずっと
会いたかった。会えて凄く嬉しいと思ってる
不思議・・・)

ぎゅーっと抱きしめ、涙が出てきた
ところで、ハッと目が覚めた。

気づけば、家康の枕を抱きしめ
涙を流している自分。

(夢だったのか・・・)
涙を拭いながら、幸せな夢から覚めたことを
残念に思う桜奈だったが

まだ、気怠さと熱っぽさに
横になっていたい気分で
(今何時かな・・・外、明るいけど)
とモゾモゾと携帯を探していると

寝室のドアがガチャっと開いた。

『桜奈?まだ寝てんの?』と家康が
夜勤明けで、帰宅した時には
既に、昼近くになっていた。
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