第26章 〜番外編その3〜
天守に着くと
二人寄り添い、月を見上げながら
お酒を飲んだ。
信長の肩にたれかかりながら
『あーっ、私の居場所に帰ってきたー』
とほろ酔いで、心底ホッとするように
微笑む栞に
『わしは、待ちくたびれておったわ・・・』
『えへへ、申し訳ないです』と
屈託の無い笑顔を見せる栞に
『貴様、分かっておらぬだろ』と言うと
突然、栞の唇を唇で塞ぐ信長。
(急に、何!!)『んっーーーん』と
突然の事に息ができない
栞は、信長の胸を苦しいと
トントン叩き、信長の唇が離れた瞬間に
『ぷはぁっ』と息をやっと吸った。
ほろ酔いで、少し火照る身体と
強引な口付けに、ドキドキし
恥ずかしそうにする表情が
月明かりに照らされる。
栞の居なかった3か月間は
信長には、永遠のように長く
栞が居ない間、半身を削がれたような
痛みと、空虚な心に飲まれぬよう耐える日々
だった。
やっと自分の腕に戻ってきたのだと
一刻も早く、全身で確かめたい衝動を
ずっと耐えていた信長。
『信長様・・・?』(怒ってるの?)
少し不安気で、切ない表情する栞は
信長の着物を掴み、見上げたが
栞のその顔は、信長には逆効果。
理性のタガが外れた信長は
『今宵のわしに、余裕があると思うな!』
と言うと、栞をパッと抱き抱え
布団の上に組み敷くと
貪るように何度、何度も愛し合う。
『信長・・様・・!』
『栞!』
名前を呼び、栞の体力が尽きるまで
求め合い、お互いの腕の中に
最愛の人が戻ったことを
確かめ合った。