第26章 〜番外編その3〜
愛しい人の肌の温もりに満たされて
眠っていた栞が、ふっと目を覚ますと
安堵したように眠る、信長の顔がすぐ
隣にあった。
(ほんとに、ほんとに戻ってこれたんだ・・)
愛しいそうに見つめながら
信長の頬に触れようとする栞の手を
パッと掴む信長は、ゆっくりと目を開けた。
『眠れぬか・・?』
起きていたのかと、少し驚いた栞だったが
『ううん、信長様が隣にいると思って・・
それが、凄く幸せだとな思って・・・』
静かに、幸せそうな笑みを浮かべ
信長の肌けた胸に、手を添え、顔を摺り寄せ
口付けをした。
包みこ込まれるようにしながら
安心しきったように
また、すっと眠りに落ちる栞。
『ゆっくりと眠るがよい』と
栞を抱きしめながら、頭に口付けする信長も
また眠りについた。
こんなにも穏やかで満たされる瞬間がある
ことを改めて感じる信長。
一切の情を押し殺し、血の通わぬ鬼のように
無慈悲に、信念のみを貫くのが己の
使命とさえ思っていた。
眠りに落ちていくなか
(もし、この身に来世が許されるなら
また、わしの隣にいて、幸せとは何かを
教えてくれ・・・栞・・・)
信長は、そう願うのだった。
ーー終ーー
栞の帰還編は、これで終わりです。
お付き合い下さいまして
ありがとうございました。
次は、リクエストを頂いていたので
家康と桜奈の前世からの
もう一つの願いを綴って行く予定です。
宜しくお願いしますm(_ _)m