第5章 〜知りたい〜
『すげぇ、詳しいね?阿茶の局って言っても
だいたいは、知らないって言われるけど
歴史が好きなの?』
と、驚きながら家康は尋ねた。
『あっ、いえ、歴史は凄く苦手なんです。
私の名前が、たまたま徳川家康の最初の
奥さんと、同じ名前で、それで徳川家康に
興味を持って調べてたら、徳川家康の
大ファンになったんです。』
まだまだ、いくらでも語れますと
言う勢いの桜奈。
『そうなんだ・・・』と若干、引き気味の
家康に気づいた桜奈。
『あーっ、すみません。私いつもこうなんです。
ドン引きですよね!徳永さんも同じ名前なのに
連呼されても嫌ですよね』とシュンとする。
『いや、珍しいなと思って、うちの母親以外に
熱狂的な、家康ファン初めて見たからさ。
おかげで、俺も姉も母の家康好きの余波の
被害を受けてこの名前になったわけよ。
俺としては、いい迷惑でしかないけど
実際、母の旧姓は『徳川』で、徳川の
血筋の人なんだよね。だから、身内びいきが
ひどくて』うんざりと言う顔の家康。
桜奈は、突然立ち上がり
『うそっ!ほんとですか?徳永さん
家康の末裔なんですか!えーっ!!』と
目をキラキラさせ家康の手を握ると
テンションMAXでブンブンと振る桜奈。
『超!嬉しい!家康の末裔に会えるなんて!』
と、完全に自分の世界の桜奈。
ただ、ただ、桜奈のテンションに
呆気に取られる家康。
すると、『ぶっ!あんた、やっぱすげぇ
面白いねー、腹、いてぇ』と大笑いする
家康に、ハッと我返った桜奈。
(///やだ、興奮しすぎてつい!
恥ずかしいー、でも徳川家康の末裔に
会えるなんて、超ラッキー///)