第5章 〜知りたい〜
『えっ、お姉さん!?(彼女じゃない!)
そうだったんですか。
私、あそこのパンケーキ大好きで
友達と学校帰りに、よく寄るんです。
あー!でもお姉さんだったんですか?
凄く、綺麗な人だったから、お似合いの
カップルだなんて思ってみてしまいました』
何故か、ホッとする桜奈。
『うちの両親、今海外で、姉ちゃんが
親代わりに俺がお世話になる
挨拶にきたんだよ。で、あの店のパンケーキ
食ってみたいって前に言ってたから、あそこで
待ち合わせして、その後一緒にここ
来たってわけ』
『へーっ、そうだったんですか。
ほんと、美味しいですよね!あのパンケーキ。
ああ、でもお会いしたかったなぁー。
徳永さんが一緒に住む話は、聞いてなくて
来週から期末で友達と勉強してから
帰ってきたから昨日も、遅くなっちゃって。
すみません、せっかく来て頂いてたのに
ご挨拶できなくて』
と、ペコッと桜奈は、頭を下げた。
『知らなかったんだし別に、気にしなくて
いいよ。それに、最後にまた挨拶来るから
そん時にでも、会えると思うし』
『そうですか、じゃ、その時に、ご挨拶します
でも、ほんと綺麗な方でしたねー。
お名前はなんて仰るんですか?なんとなくですが
徳永さんの名前も結構、珍しいし、歴史に
由来する名前なのかなぁって思って』と桜奈。
『姉の名前は、阿茶子(あさこ)
歳は三つ上。名前の由来は徳川家康の側室の
阿茶の局って知ってる?そこからとって
その阿茶に子どもの子で、あさこ。』
と家康。
『阿茶の局!知ってます。
美人で、頭良くて、家康の側近としても
凄い功績を残した人ですよね!
徳川家康に凄く信頼されてて、秀忠の養育係も
したり、戦に、男装で出かけたりしたって
言われてる人!』と、目をキラキラさせながら
語り始める桜奈。