第26章 〜番外編その3〜
『そうかも知れませんね・・・』
(そうだよね、私も初めは
びっくりして、混乱したし・・・)
『そうだ、家康の問題だからな
貴様が気に病む事ではない。
それに、主役がそんなしょぼくれて
おったら、皆心配するからの』
と、栞を慰めた。
『うん、そうだね。
ありがとう・・信長様』
(そうだ、また皆が心配するような
浮かない顔してたらダメだね!)
と、思う栞。
気分を変えて、皆にお酌して回る。
家康のところに来ると、家康が
ボソっと尋ねてきた。
『ねぇ、栞・・・あんたの妹だっけ?
その子は、今、幸せなの?』
(唐突だったかな?でも、もし桜奈なら
幸せなのか、やっぱり気になる・・)
と思う家康。
一瞬、キョトンとして驚いた
顔をした栞だったが
にっこり笑うと
『うん、幸せだと思うよ。
両親の愛を一身に受けて、大切に育てて
もらったと思うし・・・
それに、今はね・・好きな人にやっと
想いが通じてまぁ、見てるこっちが
恥ずかしいくらいの仲睦まじさだったわよ』
途中耳打ちするようにしながら
少し含みを持たせて、ふふと笑う栞。
だが、好きな人のくだりで
無性にもやっとし、イッラァァとする家康は
『なんだよ、やっぱり、あんたの妹が
桜奈の生まれ変わりなはずないね・・
あんたの勘違いだろ?』
(そうだ、桜奈は俺にまた
必ず恋するって言ってたのに、他の男なんか
好きになるわけないだろ!!)
桜奈の写真で衝撃を受けている
間に、他の武将達が見ていた家族写真も
その時に話していた内容も
家康の耳には全く入っていなかったのだ。
『はっ?勘違いなんかじゃないわよ。
あれは、絶対桜奈さんだし!!』
とこちらも、真っ向否定に腹が立ち
ムキになり始める栞。
『いーや、やっぱり絶対、違うね!』
と、ムムムと睨み合う二人に
『おい、おい、なんだ、なんだ
何揉めてんだよ?ってか、お前らの
それは、相変わらずだなぁ・・・
でも、栞が帰ってきた!って
感じするわ』とニヤニヤしながら
政宗が仲裁に入った。