第26章 〜番外編その3〜
手渡された写真に目を奪われ
言葉を失う家康。
『!!!・・・』
『びっくりするよね。この子は
私の妹なの。』
瞬きもせず、写真を食い入るように見つめる
家康は、今にも泣きそうな程
切ない表情を浮かべていた。
家康の様子が変わったことに気づいた一同。
すると、信長が
『栞、こやつらにもあの写真とかを
見せてやればよい』と口を開いた。
『そうだね、見て貰えば分かるね』と
家族写真を皆に見せた。
家康だけ元の場所で固まる中
残りの武将達は、栞と頭を突き合わせるように
集まって写真を眺めると
皆同様に、一瞬言葉を失った。
『こ、こ、これ!桜奈だろ?』と
口を開いたのは秀吉。
『ほぉ、これは興味深いな・・』と
何かを思案する様に、顎に手を添える光秀。
『おいっ、ちょっ、これ家康じゃないか!』と
家康を見つけ、更に驚く政宗。
『驚きました。こんな不思議なことが
あるんですねー。いつの間に家康様と
桜奈様は、現代に行ったのですか?』と
ちょっとズレる三成に
『三成君、これ私の妹だから』と突っ込まれ
栞をみて『えっ?』とまた、驚く三成は
『そ、それでは、この方達は別人なのですか?
いや、どう見ても家康様と桜奈様では
ないですか?』遅れてやってきた
驚きの大きな波にのまれ、言葉を失う。
『うん、名前も一緒なんだけどね。
れっきとした、現代人で皆の知っている
桜奈さんではないよ。
でもね、私は会った瞬間に桜奈さんの
生まれ変わりだって思った。
私が生まれた時代に生まれ変わりたいって
願いを叶えたんだって、そう思ったよ・・・』
栞は、未だ微動だにせず写真を眺める
家康を見つめながら、そう言った。