第26章 〜番外編その3〜
佐助と別れ、城に戻ってきた栞達。
栞が『ただいまー』と入って行くと
『奥方様!!お帰りなさいませ!!』と
家臣達は、栞を見つけるとゾロゾロと集まり
口々に帰ってきたことを歓迎する
言葉をかけた。
『ただいまー、心配かけましたー』と
苦笑いしながら、皆に挨拶しつつ
人集りをかき分け進むと
一番奥から『母上様!!』と凛桜が
薄ら涙を浮かべ待っていた。
『凛桜!!』と両手を広げて
我が子を抱き寄せる栞は、力いっぱい
抱きしめながら
『ごめんね、心配かけて。もうどこにも
行かないからね。』と声をかけた。
(あれ?また少し背が伸びた?)
『はい、お帰りなさいませ母上。
凛桜は、信じてお待ちしてました』と
信長と同じ緋色の瞳を真っ直ぐと
栞に向け、安堵したように微笑み
そう言った。
『おっー、やっと帰ってきたかよ』と
凛桜の後ろから、政宗。
『栞様、お帰りなさいませ』と
エンジェルスマイルで微笑む
三成は、少年のようにさえみえるが
これでも三十半ば。
『ただいま、政宗、三成君。』と
いつものメンバーと全員対面し
(あー、ほんとに帰ってきたー)と
にっこりと微笑む栞だった。
栞の後を歩いてきた信長に気づいた凛桜は
『父上様も皆様もおかえりなさいませ』と
涙を拭いいながら声をかけると
凛桜の頭をポンポンと撫で
『うむ、今戻った。』父親の顔で微笑んだ。
一通り、帰還の挨拶を済ませてから
大広間に戻ってきた栞。
信長の隣に座ると、改めて信長に向かうと
『この度は、ご心配をおかけして
申し訳ございませんでした』
と頭を下げて、それから下座に向き直ると
『皆様にも、ご心配をおかけしました』
とまた、頭を下げてから
『でも、今回の里帰りのお陰で
両親の許しを得て、改めてこの時代に
送り出してもらいました。今後はさらに
織田家の為、この先に続く泰平の世の為
信長様に誠心誠意お仕えしていく所存です。
どうぞ、皆様、今後とも宜しくお願いたします』
とまた、深々と頭を下げた。