第26章 〜番外編その3〜
まるで、パズルのピースがピタリと
嵌っていくように『偶然』ではなく
『必然』と言う盤の上で、自分が見えざる
手に動かされている駒ような感覚になる佐助。
すちゃっと、中指で眼鏡をあげると
『なるほど、興味深い話です。僕も栞さんも
この時代に来ることは、既に定められた
運命であったと言うことなんですね・・・』
(タイムパラドックス・・・僕達が過去に
くることも折り込み済みの未来と言うことか
もしくは、別の時間軸に移行したのか・・)
考え込む佐助に
『たぶん、そう言うことなんだと思う。
それに、ほら見てこの写真、これは私がこっちに
きてから生まれた私の実の妹なの。
名前は桜奈。でも、この子も見て』
と家康を指差す栞。
驚愕した表情になる佐助。
『桜奈さん、家康公!』
『と思うよね?私も戻って、びっくりしたよ。
でも、私は生まれ変わりだと思った。
そう感じて、確信できた。もちろん私の
勘だけど・・・たぶん、私が戻された
ことにも意味があったんだと思うんだ・・』
『ハハハ、凄い!科学分野では
証明が難しい事ばかりだが、実に興味深い
ですよ栞さん!!』
研究者の血が騒ぐのだろうか?
活きいきとした表情で、新たな研究対象を
見つけたことに、ワクワクが止まらない様子の
佐助。
『やっぱり、佐助君はご先祖様だわ。
その感じ、父にそっくりだもん』と
クスッとする栞。
『そう?でもありがとう!これでまた
色々と研究できると思うよ。
困った事があったら、いつでも頼って。
ただ、信長様に無許可はもう勘弁して。
みんなの、メンタルがやばくなるから』
と付け加えた。
『分かった、ご迷惑をおかけしました。
あと、これ謙信さんや信玄さん、幸君に
お土産渡しとしてもらっていい?』と
それぞれのお土産を佐助に託した。
『了解!渡しておく。ありがとう』