第26章 〜番外編その3〜
暫くすると、報告を受けた秀吉達が
様子を見にきた。
『失礼します』と言って入ってきた面々。
『目が覚めたか、栞?ったく、心配
かけんなよな・・・信長様がどれほど
心(配)・・・!!』と言いかけたところで
冷やりとした視線を、感じて
信長の方をチラッとみると
余計なことは言うよと言う、圧の籠もった
信長からの鋭い視線が秀吉を貫く。
『信長様が?どうしたの?』と尋ねる栞に
『と、とにかく、無事に戻ってこれて
良かったよ・・・もう、無茶はすんなよ・・』
と、焦りながら答えた。
すると、栞は秀吉達の方にきちんと
正座し直し
『皆さん、この度は、ご心配をおかけして
本当に、すみませんでした』と
深々と頭を下げた。
『戻ってきたのだから、問題あるまい。
帰らないようなら、信長様が迎えに
行っただろうしな』とニヤッしながら
冗談とも本気ともつかない言葉をかける光秀。
『ほんと、相変わらずの考えなしだよね。
まぁ、でも、また能天気な顔が見れて
よかったよ』と相変わらず素直ではない家康。
『僕も栞さんの圧に負けて
教えたのが悪かった。
まさか、本当に戻るとは思ってなくて・・・
申し訳ありません』と佐助は信長に頭を下げた。
『貴様のせいではない、気に病むな。
それに貴様のお陰で、こうして栞を迎えに
これたのだからな』と佐助をフォローする信長。
『みんな、心配してたんだぞ。凛桜も政宗達も
迎えにきたがってたけど、無理いって
留守番をしてもらってる。体調が戻ったなら
そうそうに城に戻るからな』と秀吉。
『まぁ、そんなに急くこともなかろう?』
と、呑気な事を言う信長に
『そう言う訳にも行きませんよ。
北条の件が、大詰めなんですから!
城が手薄だと知れば何を仕掛けてくるか・・・
油断は出来ません!!』