第26章 〜番外編その3〜
自室に戻った桜奈と栞。
栞に手伝ってもらいながら、着物を脱いだ。
『ふぅー、開放感!!』と
部屋着に着替え、ベッドに大の字に
倒れ込む桜奈。
自分の着物を脱ぎながら
『あはは、でしょうねー』とクスクスと
笑う栞に
『お姉ちゃんは、もう着物の方が
落ちつく?』と尋ねた。
『そうだねー、着物の方が
落ちつくけど、洋服は洋服でやっぱり
楽だとは思うけどね』
着物を脱ぐと、手際よく着物や
帯を畳み始めながら
『桜奈、明日も着物着る?』
始めて着物で1日過ごした桜奈だったが
やはり慣れないせいもあり、歩くにも
変な力が入り、正直、ヘトヘトだった。
『明日は、遠慮しとくよ。』と苦笑いし
両手を前にし、フリフリしながらそう答えた。
栞に手伝ってもらいながら
着物を畳み、キャリーバッグに仕舞おうと
した時に、作った巾着を渡し忘れていた
ことに気づき
『あっ!そうだ。お姉ちゃん、これ!これ!』
と、巾着の入った小さい紙袋を手渡した。
『あっー!危ない。受け取り忘れる
どこだったよー。桜奈、一回確認していい?
あと、さっきとったプリクラも頂戴!』
と催促され、プリクラを手渡した。
ハサミでプリクラを切って半分にすると
『こっちは、彼にあげれば?』とにッとし
もう半分を取り出した巾着の中に
入れながら
『あら!このマスコット、上手に出来てる
じゃない、可愛いいね。うん、絶対喜ぶよ!』
(小っちゃい桜奈さんが付いてる、ふふ)
そう言って、嬉しいそうに笑った。