第26章 〜番外編その3〜
桜奈から、家康も都合は大丈夫と
報告を受け、ホテルなどの予約した。
『よし、予約は完了したし
後は、当日楽しむだけだな』そう言っつ
鷹介は、笑った。
『さてと、じゃ私もお誕生日プレゼント
間に合わせないとね』と部屋へ戻ろうとする
栞に
『お姉ちゃん、後でまた見に行っていい?』と
自分の着物が形になって行くのが
楽しみで仕方ない桜奈は
栞の仕立て作業を毎日のように
見学していた。
先週、反物を買いに家族で出かけた。
桜奈も着物をきるのは
七五三以来のこと。
栞にアドバイスをもらいながら
反物を選んだ。
お気に入りにワンピースに似た柄も
あったが、もう一つ気に入った柄があった。
迷ったが、薄紫の地に桜吹雪が
まるで天の川のように流れている
柄を見つけ、綺麗だと思った。
とても大人っぽく見えたが
大人になっても着てもらうには
いいと思うと言われ、それを選んだ。
桜の花だと、着る季節が限られて
しまうのではないかと思ったが
店員さんからは、桜は日本人には
馴染みの花なので、花びらだけの
絵柄なら通年で大丈夫と
教えてもらった。
見ているだけで、華やかな気分になる
着物の世界。
ふと目を止めると、ワゴンに着物の端切れが
売られていて、巾着やハンカチなど
和装の小物が展示されていた。
『この巾着可愛いな』と眺めていると
チラッと山吹色のような色合いの端切れが
見えた。
何故か、その色がとても馴染みのある気がし
懐かしい気分になる桜奈。
(ああ、ぬいぐるみが来てる羽織りの色か)
『桜奈、何見てんの?』
『あっ、なんか、この色合いが
徳川家康って感じがして!
ほら、私の部屋のぬいぐるみの羽織りも
こんな色でしょ?』
ニコニコしながら、嬉しそうに話す桜奈。