第26章 〜番外編その3〜
『家康君との電話は、終わったの?』
冷やかし半分で、揶揄う栞に
ギョッとし、『なんで、家康さんからって
分かるの?』と相変わらず、バルバレな事への
自覚のない桜奈。
『そりゃ、みてれば分かるよ』と
既視感のある台詞を言われ、クスッとする栞と
微笑ましそうに、ニコニコする両親。
『あっ、また顔に出てたんだ・・・』
とガクッと項垂れる桜奈だった。
『そりゃ、あんなに、ニヤニヤしてたらねぇ
ママ!』と千里に同意を求める栞に
『そうね、まぁ、いつものことだけどね』
と千里。
自分の頬をマッサージする様にしながら
『だってぇー、知らない間に顔に
出ちゃうんだもん。ポーカーフェイスって
どうやったらできるんだろう』
(無表情って、難しいよ・・・)と
真剣に悩む桜奈を栞達は顔を見合わせて
クスクス笑った。
『いいじゃないか、桜奈がとっても
素直だってことだろ?』とフォローする
鷹介に
『とか言って、パパもめっちゃ笑ってるしー』
と、今度はむぅっとし始める桜奈。
『あっ、ごめん、ごめん。素直なところは
本当に桜奈のいいところだと
思うってるよ。たぶん、家康君もそうなんじゃ
ないか?』と家康の名前を出して
機嫌を治そうと試みる。
家康と言うワードで
『///まっ、まぁね。
そうは言ってくれるけど・・///』
今度は、口を少し尖らせながら
視線を外し照れ隠しながら
そう話す桜奈。
この短い会話の中で
こまったり、ムッとしたり、照れたりと
忙しい桜奈に千里はサラッと
『私からみたら、栞も桜奈も
分かりやすくて、育てやすかったわよ。
何考えてるか、言わなくても顔に書いて
ある姉妹だからね』と、身も蓋もない
事を言いながらクスッと笑った。