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また、恋してくれますか。

第26章 〜番外編その3〜


桜奈の誕生日祝いと
栞の見送りとを兼ねた、京都への家族旅行
を計画中の上杉家。

ダイニングテーブルで
皆でパソコンを囲み
画面を、眺めながら
旅行の計画を練っていた。

『わっ!このホテル豪華じゃない?』
『お料理も美味しそうね』
『露天風呂!大浴場も広いし
お庭も素敵ねー』

『本能寺跡地にも割と近そうだな』

ワイワイと皆で盛り上がっている中で
桜奈のスマホが鳴った。

『あっ』と小さく声を上げ
嬉しいそうな顔すると
『もしもし・・・』と言いながら
そそくさと、自分の部屋へ戻る桜奈。

誰からの電話かは、聞かなくても
すぐに分かった。

『そうだ、折角だし家康君も旅行に
誘ってみたらどうだろうか?』と
何かを思いついたように、唐突に
そう提案する鷹介。

『あら、いいわね。家康君の都合聞いてみて
からだけど、鷹介さんの研究の話し相手に
なってくれそうよね?』と、鷹介の
思惑をさらっとバラす千里。

『なんだ、そう言う理由?てっきり
お付き合い初誕生日だから
気が効くじゃないパパと思ったのに・・』
ジトっと言う視線で鷹介を見る栞に

『ははは、バレたか。千里には敵わないな。
読まれてた。まぁ、でも折角の誕生日だし
家康君は、もう家族みたいなもんだし
どうかなと思ってさ。

栞が帰るのは、寂しくないと言ったら
嘘になるけど、でも間近でワームホールを
見れるなんて、またとないチャンスだし
感動を分かちあってくれる相手がいれば
言うことないからね』

研究者としては、ワームホールを直に
見れるかも知れないチャンスは
千載一遇と呼ぶにふさわしい。

だが、それが娘との今生の別れと
なると思うと、親としては複雑だった。

『そうね、こんなチャンスは
研究者としては、見逃せないけど
親としては、心配よ。
ちゃんと戻れるのよね?』
(本当に大丈夫かしら・・・)
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