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また、恋してくれますか。

第26章 〜番外編その3〜


喜びを、噛み締める栞とは対照的に
家康の心中は複雑だった。

(本当は、真っ先に報告して
気持ちを確かめたかったけど・・・)

『お元気で』そう言って
別れた日の桜奈の顔が
家康の頭から離れることはなく
思い出す度、胸が締め付けられる。

あの日、自分がどれほど桜奈を
傷つけたのかと思うと
家康自身も桜奈に会うのが怖かった。
でも、それ以上に一目でいい
桜奈会いたいと、ずっと思っていたが
自分のケジメが付くまではと
この数日、必死に我慢して来た。

やっと、胸を張って会えると思っていたのに
今日に限って桜奈はおらず
家康には、それが桜奈の自分への
答えのような気がしていた。

好きになってはいけないのに
自分を止められず、好きになり
告白までしながら、でも一緒にはいられない
そう言って、突き放したのは自分。

(迎えに行くなんて、自分に都合のいい話を
どのツラを下げて、言えると思ってたんだよ
もう、俺の顔もみたくないってことだよなぁ)

はっきりと拒絶をされたようで
家康の自信は大きく揺らいだ。

待っていてくれてるかも知れない。
そんな期待が大きかっただけに
その身勝手な願いに、自分が
打ちのめされる気分だった。

そんな想いが、ぐるぐると駆け巡り

『婚約の件では、桜奈ちゃんにも
色々と心配してもらったので、今日
伝えられたらと思ったんですが・・・
バイトから帰ってきたら
今まで心配してくれてありがとうって
伝えてもらってもいいですか?』

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