第26章 〜番外編その3〜
17年も夫婦をやってると
そりゃ、色々とありますよ。
今回の夫婦喧嘩の原因は、娘の縁談話。
信長様と書いて、俺様と読むんじゃ
ないかしらなんてくらい、俺様が
服着て歩いてる様な、私の旦那様ですが
あれで結構、溺愛してくれる人なんですよ。
冷徹無慈悲だと、噂されてますが
本当は、誰よりも自分に厳しくて
思慮深くて、慈悲深い、優しい人。
分かってはいても、単純な私には
そんな難しい政の策なんて
分からないから、口出しなんて
したことはなかったけど
今回ばかりは、黙ってはいられなかった。
だって、私には私の人生を変えてくれた
最も大切な友、桜奈さんとの
約束事があったから。
何より、娘が政のせいで好きな人と
一緒になれないなんて、納得がいかなかった
んですもん。
私は、私の生まれた時代も家族も
捨てて、好きな人と共に生きる事を
選んだのに、娘にはそれを許さないだなんて
納得できなかった。
戦国時代に残った私の決意も
好きな人を選んだ私の人生そのものを
全否定されたみたいで
信長様に愛されてたと思っていた全てが
私の中で、音を立てて崩れて行く
気分になった。
私が、勝手に信長様を好きになり
私だけが、勝手に盛り上がり
私が、勝手に戦国時代にで生きると決めた
だけの、ただの独りよがりで
本当は、必要とはされてなかった?
本当は、別に私でなくてもよかった?
なんて、ネガティブな思考になると
もう、これまでのどれもこれもが
自信なくなってしまって
ああ、こんな時、桜奈さんなら
相談にのってくれるのに・・・
桜奈さんに会いたいな・・・
そんな、気持ちから、家を飛び出し
私は、初めて信長様を試してしまったの
だけれど、信長様はあの頃のまま
何も変わってなんていなかった。
迎えに来てくれた時、それが分かって
仲直りするはずだったのに・・・
で、2回目になりますが
何故か、現代に私はいるんですよ。
でも、まっいっか!
こちらに戻って、半月ですが
たぶん、意味があって現代に戻って
きたんだと、今はそんな気持ちで過ごしてます。
また、必ずあの時代に帰れると信じて・・・。