第25章 〜番外編その2〜
机には、新しいケーキのデッサンと
レシピが無造作に広げられている。
仕事に対する熱意は、嫌でも伝わって来る政宗。
愛花の部屋から、社会人としての
大人の愛花が垣間見えたことで
自分の立場が、やけに子供っぽく感じ
少し情けない決持ちに襲われてくる。
それから、ソファーに座り
横目でコーヒーを入れる愛花を、眺めてた。
豆をひき、それから丁寧にドリップすると
香ばしいコーヒーの香りが漂ってきた。
『政宗、お腹は空いてない?
何か、簡単なもの作ろうか?』
『いや、大丈夫』
『そう?夕飯食べたの?』
『ああ、愛ちゃんに差し入れのついでに
俺も、同じサンドイッチ食った』
『そうなんだ。差し入れありがとうね!
あのサンドイッチ美味しかったわ。
後で、お店教えてよ。今度行ってみたいから』
そう言いながら、トレーにコーヒーをのせ
運んできた。
『はい、お待たせしました。』
と、コーヒーを政宗の前におき
自分の分も置いて、テーブルを挟んで
政宗の目の前に座った。
『おっ!サンキュー』そう言いながら
早速、コーヒーを飲む政宗。
『あっ、上手いわ。』
『でしょ!』
香りを楽しみつつ、味わいつつ
二人でほっこりとし、ふっーと
脱力したが、会話が途切れてしまった。
会話が、途切れたことを意識し始める二人。
『・・・』『・・・』
『あのね!(あのさ!)』
ほぼ同時に、口火を切ったが
声がかさなり
『な、なに?///』
『いや、愛ちゃんこそ、話って何?///』
『あっ!あぁー、え〜と、あー』
(ダメだ、改まると何て言っていいか分かんない
どうしよう、何て言えばいい!!)
視線を上にしながら、必死に話し出しの
言葉を探る愛花。